城東電気軌道のことを自分で調べてみたい方向けの参考文献・参考資料ガイドです。

私も色々な方に教えていただいて使えるようになったツールばかりなので、今後の道標になれば幸いです。

 

国立公文書館

何はともあれ一番の根本となるのが国立公文書館に保存されている『鉄道省文書』です。

城東電気軌道が国(鉄道院・鉄道省)に提出した公式の書類が公文書として遺されています。

史料は下の写真のように「簿冊」と呼ばれるファイルに綴られ、見出しがついています。

1910年の特許出願から東京地下鉄道時代までの約30年間が9冊に分けてまとめれています。

簿冊の表紙(巻1)

収録文書の見出し


所蔵されている文書は「デジタルアーカイブ」で検索ができ、請求票も予め印刷可能です。

事前予約や登録は必要なく史料の撮影も可能なので、イメージ以上に使いやすい施設です。

閲覧室のご利用案内

国立公文書館デジタルアーカイブ

国立公文書館デジタルアーカイブ「城東電気軌道」[簿冊一覧]

国立公文書館デジタルアーカイブ「行船人車軌道]

 

※『鉄道省文書』についての詳細はこちらを参照のこと

青木栄一(2004)「鉄道史研究と『鉄道省文書』」「PDF」

河野敬一(1996)「昭和戦前期までの鉄道関係公文書について」[PDF]

 

 

都立公文書館

城東電気軌道が東京府・東京市に提出した文書は東京都公文書館に保存されています。

閲覧室のパソコン画面上で閲覧するのですが、検索が使いにくく、ビューワーの操作も独特な上、

複写は1枚10円のプリンター出力のみなので、国立公文書館に比べるとハードルは高めです。

利用案内

情報検索システム

検索キーワード「城東電気軌道」

 

 

国立国会図書館

城東電気軌道に関するまとまった書籍はないのですが、やはり国立国会図書館は頼りになります。

利用登録、資料請求、複写等のハードルが昔よりも各段に下がって使いやすくなりましたし、

デジタルコレクションのカバー範囲がかなり広いので家でも作業がはかどります。

検索にコツがいりますが、下に紹介したような資料をwebで見ることができます。

登録利用者制度のご案内

国立国会図書館デジタルコレクション

鉄道知識普及学会(1926)「東京近郊電車案内」

奥川夢郎(1922)「カメラを携へて東京の近郊へ」

鉄道省(1934)「全国乗合自動車総覧」

帝国鉄道協会(1935)「大東京乗合自動車に関する調査書」

日本工業倶楽部調査課(1931)「最近に於ける労働争議の事例 号外8」

 

また明治・大正期の人名録や役員録はほとんどがweb公開されているので非常に助かりました。

一時期は寝る前に必ずiPhoneでひたすら人名を引いてはスクリーンショットを撮っていたほどです。

日本全国諸会社役員録[国会図書館デジタルコレクション]

日本紳士録[国会図書館デジタルコレクション]

人事興信録[国会図書館デジタルコレクション]

大正人名辞典[国会図書館デジタルコレクション]

昭和人名辞典[国会図書館デジタルコレクション]

 

 

営業報告書

城東電気軌道は1919年下期以降、東京乗合自動車、東京地下鉄道は全期間について、

J-DACの企業史料統合データベース収録されていますが、一般利用はできません。

慶應大学や神戸大学などの大学図書館も所蔵しているようですが、ハードルが高いです。

と思っていろいろ探していた所、思わぬところにデータがあるのを発見しました。

なんと慶応大学図書館のものらしきデータがgoogleブックスの無料アーカイブに入っているのです。

東京乗合自動車株式会社営業報告書[googleブックス]

表題は東京乗合自動車営業報告書ですが、後半に城東分も収録されています。

J-DACの営業報告書では省かれている株主名簿があったりと非常に貴重な資料です。

 

 

新聞・雑誌

当時のリアルタイムな情報を探るのであれば新聞と経済誌は欠かせない情報源です。

 

明治・大正期を含む戦前の新聞記事を検索できるデータベースは意外と少なく、

大手新聞では朝日新聞が見出し・記事検索が可能で、読売新聞は見出しまでは検索できます。

図書館に行けばデータベースに接続されたパソコンがありますので活用しましょう。

朝日新聞記事データベース聞蔵Ⅱビジュアル

そしてもう一つ欠かせないデータベースが神戸大学附属図書館の新聞記事文庫です。

これは神戸大学経済経営研究所によって作成された明治末から昭和45年までの新聞切抜資料で、

大阪の主要紙を中心に約50万件の記事が収録され、webで公開されています。

神戸大学附属図書館新聞記事文庫

 

経済誌では『ダイヤモンド』が館内限定で国会図書館デジタルコレクションにて検索閲覧可能です。

 

 

論文検索

気になることはCiNiiJ-Stageで論文を検索して先人の知恵を借りましょう。

引用文献は側注に記しましたが、例えば下記論文は記載事項について大きな示唆がありました。

石井里枝(2009)「戦前日本における地方企業の経営と企業統治」(利根発電について)

吉田正樹(1982)「電燈産業発展における中間商人の役割」(才賀商会について)

三木理史(1991)「明治末期における地方公益事業の地域的展開」(才賀商会について)

小川功「"虚業家”高柳淳之助による似非・企業再生ファンドの挫折」[PDF](高柳について)

 

 

その他参考資料

当時の市街化・工業化の進展を把握するためには古地図が重要なカギを握ります。

最近は位置情報と紐づいた古地図閲覧ソフト・アーカイブの発展が著しく大変参考になりました。

特に埼玉大学谷謙二先生の「今昔MAP」が無ければこの本はできなかったことでしょう。

また東京35区成立や昭和・平成の大合併で行政区域がまるっきり変わってるので、

行政区域の変遷を確認できるサイト、サービスにも助けられました。特に江戸川区、千葉方面。

谷謙二「今昔マップ on the web」 
一般財団法人日本地図センター 「東京時層地図」   
東京都立図書館デジタルアーカイブ「近代の地図」
つかんぼやと「市町村変遷パラパラ地図」
Geoshapeリポジトリ「歴史的行政区域データセットβ版」  

 

 

城東電気軌道は渋沢栄一に所縁の深い企業なので、渋沢栄一記念財団の資料は活用しました。

渋沢栄一伝記資料の全文検索ができ、権利関係をクリアしたものはweb閲覧も可能です。

また渋沢が関わった企業を中心に、社史の検索や会社名変遷図もまとまっているので、

渋沢系の人物や、周辺企業の動向を調べる際には欠かせない資料となっています。

渋沢栄一記念財団「渋沢社史データベース」

渋沢栄一記念財団「渋沢栄一関連会社名・団体名変遷図」

渋沢栄一記念財団「デジタル版 渋沢栄一伝記資料」